老いも若きも“スマホ一辺倒”ですが、改めて読書の効用を教えてください。
本になって遺(のこ)るようなものというのは、ある程度、普遍性があるというか、あとに遺せるようなものが多いわけです。
昔も今もそうですが、本を書けるところまで行く人というのは、ある程度、絞られてきます。やはり、情報発信能力がある人というか、そういう資格のある「先生」と名が付くような人でないと、なかなか本を書かせてくれないところがあるわけです。
そのため、書いている人の知識が、かなり“コンデンス”というか、濃縮されて、「人生の智慧の部分」がけっこう出ているものを読んでいるのと、“過ぎ去っていく情報”を読んでいるのとでは、やはり違うのです。
本になって遺るようなものというのは、ある程度、普遍性があるというか、あとに遺せるようなものが多いわけです。
たとえ同じ成分からできているものを集めていたとしても、“石炭を掘って集めている人”と、“ダイヤモンドを掘って集めている人”とでは、同じ重さでも、あるいは同じく袋いっぱいでも、中身には違いがあります。やはり、その「中身の違い」を確かめることが大事だと思うのです。
なお、統計的なものが出ているわけではありませんが、比べてみると、活字を愛している人のほうが知的なように私は感じます。やはり、情報源の「質の問題」があるのではないでしょうか。スマホ等の場合、どんどん「情報の量」を増やしていこうとしていますが、それが“絞られていない”ので、気をつけなければいけません。
いろいろなところに仕事のヒントや人生のヒントがあるのですが、「どういうソース(源泉)から、それを取ってくるか」ということが大事です。
人間は、「自分がいちばんやっているもの」に近づきます。
例えば、テレビをよく観る人は、テレビ番組をつくったり、テレビに出たりしやすくなりますし、映画をよく観る人は、映画をつくったり、あるいは映画についての評論を書いたりしやすくなります。また、小説をよく読む人は、小説を書きたくなったりするようになるものなのです。
「自分がのめり込むものに、だいたい、自分は近づいていくものだ」と考えればよいのではないかと思います。
「読み方」「読書法」についても、もう少し教えないといけないのかもしれません。いろいろなシチュエーション、状況と、自分の必要度に合わせて、読み分けなくてはいけないのです。
時間があまりない場合には、次のような読み方もあります。
例えば、「電車に乗っている時間が四十分なら、『この本を四十分で読み切る』と決め、パッと目次を見て、大事そうなところはしっかり読むけれども、あとはサラッと読む」という方法もあります。
あるいは、井上ひさし風に、「最初のほうに関しては、ゆっくりと読んでいき、感じがだいたい分かってきたら、途中から速度を上げてサーッと読む」という方法もあります。
このように、読み方はいろいろあると思います。
大別すると、「情報読み」と「内容を知的に発掘する読み方」の両方があると思うのですが、適宜、使い分けたらよいと思います。
(2017.6.21 法話「老いて朽ちず」質疑応答より一部抜粋)
参考書籍
この質疑応答集は、『不惜身命2017 大川隆法 伝道の軌跡』から引用・転載されています。
『不惜身命2017 大川隆法 伝道の軌跡』(大川隆法 著/幸福の科学出版)
人生の「なぜ?」 世界の「どうして?」に ほんとうの答えを。
あなたが生きる意味から、 この国の平和を守る方法、 そして世界の未来まで。 あらゆる疑問に答えきる 113回に上る2017年 法話&霊言ダイジェスト。
☆病気が治る心のメカニズム
☆心の静寂とほんとうの幸福
☆性格の改善から運命の好転へ
☆供養の真実と死後の世界
☆繁栄を実現させる仕事論と経営論
☆日本政治と国際社会の潮流 etc.
もっと詳しく知りたい方へ
関連記事
「真理」を知って憎しみが感謝に変わった!【体験談】
ドイツ人のSさんご夫妻は2年前、移住先で雇用主に裏切られ、仕事も財産も失ってしまいました。行き場のない怒りを抱えて帰国した二人を待ち受けていたのは、思いがけない新しい人生のスタートだったのです。
> 続きを読む「良い仕事」を行って、世の中に幸せを広げていきたい。
ご主人と一緒に、写真撮影スタジオと結婚式場を経営するYさん。明るい笑顔で社員やお客さんと接するYさんですが、これまでご主人の闘病や経営難、店舗の全焼など、想像できないほどの苦難を経験してきました。あらゆる挫折を成功のバネに変えてきた、Y夫婦の歩みを、奥様の視点から紹介します。
> 続きを読む関連書籍
老いて朽ちず
頭が冴える、体が軽くなる、 情熱がわいてくる 肉体年齢に縛られない 積極的な人生へ。 いくつになっても知的に。 年を重ねるたびに健やかに。 著者が実践している 生涯現役ライフの心掛けとは。 人生に圧倒的な差がつく 「知的鍛錬」や「生活習慣」を わかりやすく解説。 【読書には、 人生を変える 力がある。】
大川総裁の読書力
知的成功をめざす すべての人びとへ。 なぜ1300冊もの書籍を生み出せるのか? どうして2100回を超える説法ができるのか? その知的創造の源泉のひとつ――― 幸福の科学総裁の「読書力」の秘密に迫る! 現代の「知的巨人」は、いかにして生まれたのか? ▽初公開!蔵書の驚くべき規模と内容とは? ▽本の選び方と読み方、そしてつき合い方 ▽情報をいかに知的アウトプットに転化するか? ▽「複眼思考」と「統合能力」を鍛える方法とは?