大川隆法総裁の書籍『朝の来ない夜はない』より抜粋。

宗教には、人を立ち直らせる力がある

人生の軌道修正をするためには力が要ります。そのような力を持っているものが宗教です。宗教には、人を変える強い力があるのです。

ユーゴーが書いた『レ・ミゼラブル』という小説に出てくる、ジャン・バルジャンという貧しい人は、フランス革命後の時代に、ガラスを割って1個のパンを盗んで逮捕され、密猟の罪にも問われて、5年の刑を宣告されます。そして、四度も脱獄を試みたため、結局、19年も監獄で過ごすことになりました。

刑期を終え、出獄したジャン・バルジャンは、ある司教の家で夕食を食べさせてもらい、その家に泊めてもらうのですが、夜中に、高価な銀の食器を袋に詰めて逃げ出します。彼は、すぐに憲兵に捕まりました。憲兵は彼を司教のところに連れていき、「これは彼が盗んだものですね」と司教に尋ねます。

しかし、司教は、ここで予想外の返答をしたのです。

「いいえ、これは私が彼にあげたものです」

そして、司教は、「あなたには『銀の燭台も持っていけ』と言いました。どうして燭台を置いていったのですか」と言い、燭台まで彼に渡してしまいます。

「目には目を、歯には歯を」「盗人には刑罰を」というのが普通の考え方であり、それは警察や裁判所の論理でもあるでしょうから、信じられない話ですが、これは「神の許し」です。これでジャン・バルジャンは立ち直るのです。

ジャン・バルジャンは、貧しさからパンを盗み、19年も監獄で苦しんだ結果、卑しい根性になり、他人の家で食事を出してもらっても、その家の食器を盗んで逃げるほどの人間になっていました。

しかし、彼は許しを与えられました。それによって彼は立ち直ります。やがて市長になった彼は、警官に追われる身でありながら、身寄りのない子供を引き取って育てていきます。彼は、善人になり、宗教的人間になって生きていくのです。

『レ・ミゼラブル』は、こういう物語です。

信じることの大切さを、忘れないでほしい

そこで描かれているように、宗教には人間を根本的に変える力があります。神や仏の力には、この世の論理を超えて、人間を立ち直らせ、変える力があるのです。

これに当たることが幸福の科学のハワイ支部でも起きました。ハワイには、麻薬で捕まり更生施設に入れられている人がたくさんいますが、その施設のなかで当会の教えを学ぶことによって立ち直った女性がいるのです。

その人は、「ホーリー・レディ(聖なる女性)」と呼ばれるようになり、今では、かつての自分のように苦しんでいる人たちを救おうとしています。

宗教には、そういう素晴らしい力、人間を根本的に変えていくだけの力が、実はあるのです。もちろん、病気を治す力もありますが、人間そのものを変える力が宗教にはあります。

どうか最後まで希望は捨てないでください。

どんな苦境にあっても、必ず、立ち直るチャンスはあります。

一つのドアが閉まっても、別のドアが開きます。

信仰は、本当は、すべてを解決する力を持っています。

ただ、あなたがたにも努力を要請します。

信じることの大切さを決して忘れないでください。

決して順風満帆のときばかりではありません。追い風ばかりではありません。

しかし、どんなに苦しくても、朝の来ない夜はないのです。

たとえ、病院に入院していて、夜中に目が覚めて、涙を一人で流すときにも、「主はあなたと共にある」ということを、どうか忘れないでください。

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※本記事は機関誌「ザ・伝道」11月号(No.218)に掲載されています。機関誌は全国の幸福の科学の精舎支部にご用意しておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。


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