大川隆法総裁の書籍『地球を救う正義とは何か』より抜粋。

今ある危機に対し、手を打てない政治家

幸福実現党は、さまざまな提言をしています。一般的には選挙の前になったら政治家たちが避け始める話題にも、どんどん斬り込んでいっています。

昨年夏の参院選では、公示日(2016年6月22日)のあと、北朝鮮は中距離弾道ミサイル「ムスダン」と見られるものを発射しました。

「国防」という面から見たら、あれは大きな問題です。

北朝鮮の技術を“なめて”いたのでしょうが、今回のミサイルは、少なくとも、1000キロもの上空まで上がり、400キロ先に落ちています。

2、30キロしか飛ばないPAC‐3(地対空誘導ミサイル)がこれを墜(お)とせるわけがないのは、誰が考えても当たり前です。1000キロ上空まで上がったものが落ちてくるのを、墜とせるわけがありません。(PAC‐3が配備された)市ヶ谷でも狙って撃ってくれないかぎり、当たるはずがないのです。

こんなものでは全然間に合わないのに、これほど重要なことについて、まったく議論されません。

一方の民進党は、野党連合をつくろうとして、「憲法改正阻止」と言っていましたし、憲法学者の9割以上も、連合して「憲法改正阻止」と言っていました。

それを言うのは構いませんが、「では、ムスダンを発射している国、あるいは、南沙諸島や西沙諸島に飛行場をつくり、近隣の国に脅威を与えている国に対して、いったいどうするのですか」と言いたいのです。

自衛隊が違憲なら、どうなるか

日本共産党は、「まだ攻めてきていないから、何もする必要がない」と言っていますが、「攻めてきてから考えるのですか。そうですか、共産党は本当に“平和”な政党だなあ」と思います。

共産党は「自衛隊は違憲だ」と言っているので、外国の軍隊が攻めてきたら、警察が戦うしかありません。自衛隊が違憲なら、使ってはいけないでしょうから、警察が外国の軍隊と戦うしかないのです。

あとは、市民のみなさんが立ち上がり、石を一個ずつ持って投げるしかありません。このようなことを、「インティファーダ(民衆蜂起)」といいます。イスラエルのガザ地区辺りで民衆が石を投げ合ったりしていますが、あれがそうです。

「石か竹槍で戦い、あとは警察や消防が出動して頑張るしかない」という状態です。

ところが、「国政をやっていて、本当にそれでよいのですか。どこの国でもやっている当たり前のことについては、当たり前にやらなければ、おかしいですよ」と言うと、それが、人間的な心情からまったく離れているように見られてしまいます。

そして、「これは、平和に対するものすごい攻撃であり、もうすでにナチズムだ」というような言い方をされるのです。

しかし、この考え方のほうがおかしいと私は思います。

話し合いで解決できない相手への対策を

日本国憲法の前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と書いてありますが、そうは言っても、「平和を愛していない諸国民」も近くにいることはいるので、それをどうするのか、やはり言わなくてはいけないと思うのです。

もちろん、話し合いで解決がつくのであれば、そうしてもよいのですが、国連やいろいろな国から何度も警告されても、言うことをきかないところはきかないので、そういうところに対しては、やはり、ある程度、国としての正当防衛ができる範囲内で自衛をすべきだと思います。

ザ・伝道1月号ご論考


※本記事は機関誌「ザ・伝道」1月号(No.219)に掲載されています。機関誌は全国の幸福の科学の精舎支部にご用意しておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。


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