大川隆法総裁の書籍『大悟の法――常に仏陀と共に歩め』より抜粋でお伝えします。
なぜ人は自殺をするのか
自殺の原因について考えてみたいと思います。
人間は、この世に生き、幸福を求めて、さまざまな努力をしています。また、幸福を得るための教えも説かれています。しかし、不幸体験というものは、どうしても避けられません。
その不幸体験のなかで、人は自殺をするわけです。
なぜ人は自殺をするのでしょうか。
たとえば、病気を苦にして死ぬ人もいます。「もう、これ以上、苦しみが続くのは嫌だ」という思いから自殺する人は数多くいます。
最近は老人の自殺も増えています。「体の具合が悪く、家族に迷惑をかける」「生きがいがない」というようなことで自殺する老人も跡を絶ちません。
若い人の場合には、恋愛感情のもつれや結婚問題、離婚問題などで自殺する人もいます。
また、不況が続くと、経済問題での自殺があります。経済問題を苦にして、逃避したくて自殺をする場合です。
このように、自殺には幾つかの原因がありますが、いずれにしても、この世で生き抜くのがあまりにも下手な人が多すぎるようです。
自殺する人は、自分自身や他人に対して、あまりにも完全を求める完全主義的傾向が強く、その潔癖性のあまり、死に急ぐ人が多いように思うのです。
その根本にあるものは、やはり、自分に対する完全主義的な要求、あるいは他人に対する完全主義的な要求でしょう。
自分も、他人も、完璧な人はいない
しかし、自分自身のことをよく考えてみるならば、完全な人、完璧な人などいないことが分かるはずです。そして、自分が完璧ではないように、他の人もまた、完全でもなければ完璧でもないのです。完全性は、自分に求めることもできないし、他人に求めることもできないものです。
ところが、完全性という、自分にも他人にも求めることのできないものを求めて、結局、不完全な生き方をしていく人が跡を絶たないのです。
「一度でも失敗があったら、もう人生は終わりだ」というような考え方は、取るべきではありません。それは、何十年かのあいだ、みなさんを育て、護り、励ましてきた人々に対する、非常な冒瀆行為です。人生は、そういうものではありません。
したがって、「人間は仏の子、神の子である」という考え方はもちろん大事ですが、その一方で、「人間は不完全な生き物である」ということも、ある程度、認める必要があります。この世に生きている以上、やはり、肉体を持って生きている人間としての不完全さは残るのです。
「80%主義」の生き方を
大事なことは、完璧な人生を生きることではなく、よりよい人生を生きることなのです。そのように心に言い聞かせなければなりません。
魂的、霊的に、自分を非常に責め、毎日、夜も眠れずに苦しんでいる人がいるならば、「完璧な自分のみを求めてはいけない」と言いたいのです。
80%主義でよいから、とにかく生き抜くことです。そして、完全な人生、完璧な人生、欠点のない人生、傷のない人生ではなく、よりよい人生を選び取ることが大事です。
※本記事は機関誌「ザ・伝道」5月号(No.209)に掲載されています。機関誌は全国の幸福の科学の精舎・支部にご用意しておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
隔月「ザ・伝道」5月号 やり直せない人生などない
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