大川隆法総裁の書籍『じょうずな個性の伸ばし方』より抜粋で、子育ての秘訣についてお伝えします。

“複線型”の子育てとは

女性は一般に、「複線型」「複眼型」の存在だと言われています。昔は、母親には複数の子どもがいることが多かったわけですが、その子どもたちは、それぞれいろいろなところで、いろいろなことをやっています。母親は、それを全部見ていなくてはいけません。子どもの一人ひとりについて、「いま、あの子は、どこで何をしているか」ということを同時に見て、危機を察知したら、そちらにパッと行かなくてはならないので、女性はもともと「複眼型」にできているのです。

一方、男性のほうは、けっこう「単眼」であり、「一つの仕事を、ずっと最後まで続ける」というようなことに向いています。

ところが、最近は、高学歴の女性が多くなり、「男性型の仕事」をしている女性も増えてきました。そういう女性たちは、仕事を辞めて母親になったり、仕事をしながら母親業をしたりすると、「男性型のものの見方」をし、子どもたちを「単眼」で見てしまいがちなので、気をつけなくてはいけません。

やはり、子どもたち一人ひとりの様子をよく見て、それぞれの個性を生かしていくことが大事です。五頭なら五頭の馬をバラバラに走らせていても、「一頭一頭の馬が、どこで何をしているか」ということを見ながら、全体の進度や、それぞれの進度を見るような眼を忘れてはいけません。

これが女性の本当の能力なのです。大学教育や職業訓練などによって、女性が「男性型」の頭になってしまうと、子どもの教育に関して、非常に成果主義型のものの考え方をして、一つのことにすごくこだわる眼を持つようになります。しかし、子どもが複数いるときには、一人ひとりの子どもが持つ、いろいろな面を見て、それぞれの子どもの違いを見分けながら育てていかなくてはなりません。そういう「複線的子育て」をする努力が大事だと私は思います。この能力は、女性には、もともとあったものなのですが、いまは、それが失われつつあるように感じられます。

それぞれの花の素晴らしさを見る

私は男性ですが、幸いにして「複眼型」であり、さまざまなことが同時多発的に起きても、その全部に対応ができるタイプなのです。そのため、意外と「子育て」にも適性があり、いま、子育てにかなり責任を持つことができるようになっています。芸術的な側面を持っている人には、ビジュアライズ(ビジュアル化)というか、「目に見えるようなかたちで、いろいろな姿を思い描ける」というところがありますが、そういう能力は私にもあり、それがいま、生きているのではないかと思います。

「単線型」の母親は高学歴の女性に多いわけですが、特に、理数系の学問がよくできた人、あるいは、文科系であっても、法学部や経済学部など、男性が多い学部の学問を勉強した人には、一つの仕事をグーッとやり抜くような「単線型のタイプ」が多く、結婚して子育てに入っても、なかなか成果が出ないと納得せず、子どもを責めることがあるので、注意したほうがよいでしょう。

それぞれの花が花壇に咲いていることを、「すばらしい」と思う気持ちを持っていたほうがよいと思います。

その気配りは、同時に、夫に対する気配りや、親に対する気配りにもつながります。こうした「複眼」がないと、自分の親や夫の親、親戚、近隣の人、友人など、いろいろな人に対する気配りの部分で、女性として、やはり十分ではないところが出てくるのではないでしょうか。


※本記事は機関誌「ザ・伝道」9月号(No.205)に掲載されています。機関誌は全国の幸福の科学の精舎支部にご用意しておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。


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