来週の3月11日で、東日本大震災から丸3年を迎えます。
親族やお知り合いの方をなくされた方は、まだ深い悲しみのなかにいらっしゃるかもしれません。
愛する人の供養をしたい、という気持ちをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで、大川隆法総裁の書籍『信仰と愛』第4章より、幸福の科学の供養についての考え方をご紹介します。


世にある先祖供養の盲点

世にある先祖供養は、要するに、生きている人たちの心の慰めにはなっていますが、死者に対する実際上の救いにはなっていないことが数多くあります。いや、救いになっていないだけではなく、むしろ反対になっていることがよくあるのです。

というのも、臨終の際に、自分が永遠の生命であるということをよく知らず、また人間の真実の生き方ということを知らないままに死んでいった人たちは、肉体を去った後、いかに行動すべきか、どうしたらよいのかわからないでいるのです。そこへ自分の子孫たちが供養してくれていますと、わからないままに、「ああ、彼らが自分を救う責任があるんだな。義務があるんだな」と思ってやってくるのです。

そしてそれだけならよいのですが、そこで災いを起こすというようなこともあることがあります。それは起こすべくして起こしているわけではありませんし、彼らにとっては知らず知らずに犯している罪でしょうが、子孫を頼ったりすることによって、病気を起こしたり、事故を起こしたり、さまざまな不幸を呼びこむことがよくあります。

ではその結果、迷っている人はそれで救われるかといったら、救われないのです。それはさらに罪を重ねたことになって、苦しみの時期はもっと長びくことになります。

したがって、死者を供養するときには、正しい意味での供養というものをやらなければいけないのです。正しい意味での供養とはいったい何であるかと言いますと、それはまず供養する側、すなわち生きている人間自身が真実の人生に目覚めることです。「人間はかく生きるべし」ということを、まず知らなければならないのです。知っていなければ、教えてあげることができません。

自分自身が、そのままであれば本当に地獄に堕ちてしまうような生き方をしている人が、すでに地獄にいっている人を救うということは、不可能なことなのです。それは同類が同類を呼んでいるだけであって、救うことにはならないのです。


天国・地獄を分けるもの

ところが、先祖供養を中心とした教えのなかには、根本的に間違ったものもあります。それは何かというと、要するに、生きている人間にとって自分自身をまったくふり返る必要のないような考え方や教えです。

「あなたが不幸なのはあなた自身の責任ではない。それは先祖が迷っているからだ。それは三代前の人がこうなったからだ。それはこういう人が祟っているからだ」。こういう考えがあります。

たしかに、事実としてはそういうこともありましょう。霊視をしたならば、そういうこともあるでしょう。しかし、もしそれが事実だとしても、他の人のそういう障りによって、仕業によって、自分の不幸がつくられていると思う心は、その心自身がすでに地獄なのです。地獄的なのです。だからこそ、そういうものを引き寄せているのです。

天国・地獄を分けるものは簡単です。自分で自分の間違いを正せるか、すなわち自分の責任を認められるか。それとも、自分の責任と思わずに人のせいや環境のせいにするか。選択肢は単純なこのふたつです。そして、自分自身の責任として反省をし、努力をして自己を改善してゆける人は、絶対に地獄に堕ちないのです。簡単なことです。ところが、人のせいや環境のせいにする思いで生きている人は、結局、自ら積極的に地獄というものをつくり出している張本人でもあるのです。

ですから、先祖を供養したいという心そのものは愛の心でありますが、先祖が祟っているから自分は不幸なのであり、これさえ切ってしまえば幸福になれるというような心は、これは愛の行為の逆になります。私の言っている愛とは、与える愛、人に尽くす愛ですが、この逆の行為、すなわち奪う愛、あるいは奪いとる愛、もぎとる愛、要するに他人のせいによって自分の幸・不幸を調整しようとする心、こういう方向になってくるわけです。

こういう人が増えてきますと、社会が全体におかしくなってくるようになり、また地獄の人口が増えてくるようになるわけです。この根本的なところをまず抑えなくてはなりません。



※本記事は機関誌「ザ・伝道」3月号(No.202)に掲載されています。3月号は「供養」がテーマになっており、本記事の内容とともに、感動の体験談が掲載されています。機関誌は全国の幸福の科学の精舎支部にご用意しておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。


「ザ・伝道」3月号 魂を救う供養

● 心が元気になる光のことば「あの世への旅立ち」
● しあわせのメッセージ「正しい供養の方法」
● 体験談1「親子の絆は永遠に」
● 体験談2「幸福の科学の供養で父への誤解が解けた」
● 体験談3「祖父の『永代供養』」
● 終活(しゅうかつ)「死んでからの生き方」

「ザ・伝道」3月号
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